学長 水口 剛
今、社会はさまざまな面でサステナビリティの危機に直面しています。気候変動が加速し、世界各地で豪雨、水害、山火事がますます頻発するようになっています。経済・社会の脱炭素化が遅れれば、ますます被害が拡大し、今の若者たちが将来、もっと苦労することになりかねません。また、ジェンダーやセクシュアリティを問わず、すべての人の人権が守られ、生きやすい社会を実現することも道半ばです。それにも関わらず、海外に目を向ければ、脱炭素やダイバーシティ、インクルージョンに逆行する動きがかえって勢いを増しています。
そのような時代だからこそ、私たちは改めて社会のサステナビリティに貢献する覚悟を持たなければなりません。人類は多くの悲惨な経験を通して、長い歳月をかけて人権とサステナビリティの規範を作り上げてきました。その時計の針を逆転させるようなことがあってはなりません、本学は、地域に根差し世界を視野に入れた教育研究機関として、教育、研究、地域連携を通じて社会のサステナビリティに貢献するとともに、自らの大学運営のあり方や日常業務においてもサステナビリティに配慮するために、サステナビリティ基本方針を策定しました。
また併せて、この基本方針を具体化するための脱炭素化に関する基本理念・基本方針と、ジェンダー・セクシュアリティ平等のための基本理念・基本方針も定めました。両基本理念・基本方針の策定にあたり、学内パブリックコメントに応じてくださった多くの学生、教員、職員の皆様に感謝します。この困難な時代にあっても、決して道を見失うことなく、歩んでいきたいと考えています。
2025年3月12日