タイトル:高崎経済大学 NEWS & EVENTS
2011/08/10 印刷する 閉じる
石巻市被災地支援学生ボランティア報告―地域政策学部E准教授活動手記―
 本学が行っている宮城県石巻市への被災地支援ボランティア。今回は、7月30日から8月1日まで3日間活動したC班から、引率教員の活動手記です。

7月30日

  • 早朝5時過ぎに大学を出発したバスが、石巻の大型スーパーに11時頃到着。私はここで高崎からの学生達と合流。
  • 12:30、蛤浜に到着。小さな集落には、集会所と高台に家が数件残っているが、後は津波に流されてしまったのだろうか、家の土台が目立つ。
  • ボランティア団体トモノテの中川さんにご挨拶した後、男子8名と事務局Fは小綱倉浜にバスで移動。漁師さんの指示に従って、わかめの養殖に使う漁具の作成にとりかかる。
  • 残る21名の学生と私は、蛤浜集会所に荷物を置き、区長さんに作業内容(私道200~300mの草刈り)の説明を受ける。
  • 区長さんは私たちにこの地域の被害の様子も教えてくださる。この町内では、避難訓練を定期的に行うなど地震に備えていたが、残念ながら2名の方が津波で亡くなってしまった。しかし、そうした状況でも、食糧と水を3カ月分備蓄していたため、震災の翌日から温かいご飯を食べられていたとのこと。
  • 我々の到着時、集会所には行方不明者の聞き込みのために警官が立ち寄っていた。また、作業場所近くの海岸沿いでは、別の警官が捜索を続けているのが見える。
  • 学生は慣れない鎌(大学から持参)を使いながらも、弱い雨の降る中、真剣に作業に取り組む。
  • 私道の草刈りが終わると、ゴミ拾いや集会所裏の草刈りを行ったり、他のボランティア団体の作業(海岸でのゴミ拾い)を手伝うなど、学生は「時間がもったいないから」と主体的に行動している。
  • 作業終了後、湧水を使わせてもらい、長靴や手袋についた泥を落とす。
  • 区長さんの奥様がジュースを差し入れてくださるが、作業時間が2時間と短く、また各自が持参した飲み物を飲んだ後だったので、本日はお気持ちだけいただくことにする。
  • 小綱倉浜の9名を乗せたバスが蛤浜に到着。あいさつを済ませ、全員が蛤浜を後にする。
  • 帰り際、集会所で暮らすおばあちゃんがバスに向かってしばらく手を振ってくれた。こちらもそれに応え、窓から手を振る。
  • 途中、石巻の大型スーパーに寄り、翌日の朝食と昼食、飲み物などを購入。18時すぎに研修センターに到着。職員の方から説明を受けた後、入浴そして夕食(メインはお魚。若干ボリューム不足?)。
  • 雨のち曇りという天候だったこともあり、想定していたほどの体力の消耗はなかった。体調を崩したり、怪我をする学生もなく、初日は無事に終了。
  • 7月31日

  • 早朝、震度4の地震で目が覚める。
  • 6:00に研修センターを出発。9名は石巻の大型スーパーでジャンボタクシーに乗り換え、小綱倉浜の漁師さんのところで昨日と同様の作業を15時まで行う。
  • 残る22名は、雄勝総合支所に向けて移動。雄勝町に入ると被害の状況もひどくなる。震災後4カ月以上が経過しているのに、建物の屋上にバスが乗ったまま。
  • 8:30、待ち合わせ場所である雄勝総合支所(3階建ての建物)に到着。この建物も津波の被害を受けており、「立ち入り禁止」の張り紙がしてある。
  • 中川さんの到着まで、学生はバスの中や外で待機。私はバスの外に出て、避難経路と避難場所を探すが、高い建物はなく、山へ登る経路もみつからない。
  • 人の住んでいる気配はない。歩いている人もいない。以前お住まいだったと思われる方が、たまに訪れる程度。
  • トモノテの中川さんと友廣さん、さらにこの地域にお住まいであった方も到着し、作業内容と避難経路の説明を受ける。
  • 作業の内容は、仮設商店街の開店に向けて、歩道の確保と清掃(がれき・泥の撤去など)をすること。車道は整備されているが、歩道には泥やがれきが残っている場所があり、道の一部をふさいでいる。
  • 近隣で一番高い建物(雄勝総合支所)も津波にのまれているため、津波が来たら「とにかくまっすぐ山に向かって登ること」と地元の方から指示される。
  • 道具がない中、学生は黙々と手で撤去作業を進める。やがて、がれきの中からスコップ、くわ、雪かき用ショベル、フライパン、たらい(泥を運び出すために利用)などを見つけ出し、創意工夫しながら作業を進めていた。この姿勢に感動。
  • 作業を開始して30分程すると、町内で時計店を営んでいた方が到着し、倒壊した店舗兼家屋の中に惨乱しているガレキを撤去して欲しいとの依頼を受ける。
  • しかし、天井からがれきが落ちてくる可能性もあり、またヘルメットもないことから、学生が行うには危険な作業であると判断し、他の作業をさせていただくことに。その結果、建物の外側に惨乱しているがれきの撤去、側溝の掃除を行うことにし、ひとつの班にこの作業を任せる。店主の方は冷やした飲み物を用意してくださっていたので、休憩中にいただく。感謝。
  • 私が指示しなくても、班のリーダーが休憩時間や昼食時間を決めて、自主的に作業を行っている。
  • いつの間にかバスの中には数匹のハエが入ってきた。食事の時は特に気になる。
  • 雄勝総合支所の入口で学生がスコップを発見。友廣さんが町役場に連絡してくださり、使用許可を得る。午後の作業から使わせていただく。
  • 14:40雄勝総合支所を出発し、石巻の大型ショッピングセンターで小綱倉浜の9名と合流。
  • 17:30研修所に到着。その後、入浴と食事(本日は唐揚げと海老フライ、ボリューム満点)。
  • 時折小雨の降る中での作業であったが、体調を崩したり、怪我をする学生はいなかった。
  • 仮設トイレはあるものの、ペーパーはない。持参したトイレットペーパが役に立った。
  • 移動が長く疲れが溜っているためか、学生はバスの中では静か。ほとんどが寝ている。しかし、いざ作業開始となると、自分たちがボランティアに来ていることを自覚しており、自主的に作業を行っていた。
  • 8月1日

  • 6:00研修センターを出発。9名は石巻の大型スーパーでジャンボタクシーに乗り換え、小綱倉浜の漁師さんのところへ。
  • 他の22名は8:30雄勝総合支所に到着。昨日と同様、歩道のがれきや泥の撤去作業を開始する。2日目の作業ということもあり、道具もあるためか、昨日よりも進み具合が早い。しかし、曇り空でも、汗が噴き出る。
  • 昨日はみられなかったがれき運搬のトラックが往来するたび、砂埃が舞う。
  • 中川さんが雄勝町の被害状況(正確な数字は行政に問い合わせること)やボランティア活動の状況を教えてくださる。また、作業している歩道は8月の灯篭流しの際に町民の方が通る道となるそう。
  • 11時頃、作業している側でペストコントロール(薬品散布)が始まったため、一旦バスに撤収し早めの昼食をとる。担当の方に確認したところ、散布剤が健康へ悪影響を与えることはなく、作業を継続しても問題がないとのことだったので、昼食後の作業は予定通り続行する。ただし、大学から配布されたマスクを必ず着用するよう指示。
  • 花のプランターを置く活動をしているボランティア団体の方が車で通りかかり、「歩道がだいぶきれいになりましたね」と声をかけていただく。
  • 町役場の方が車で通りかかり、ジュースを届けてくれた。作業終了後、バスでいただく。
  • 14時に作業終了。作業が進めば進むほど、作業場所とバス待機場所の距離が離れるため、作業終了後バスに戻るまでに10~15分程度かかってしまう。
  • 泥を落とし、バスの中で着替えを済ませた後、犠牲になられた方々のご冥福を祈り、出発前に全員で黙とう。
  • 14:40、雄勝総合支所を出発。途中、小綱倉浜で作業していた9名と合流し、大学へ向け出発。
  • 東北自動車道・菅生PAに到着。学生にあいさつを済ませ、私は降車する。
  • 21時過ぎ、30名を乗せたバスは大学に到着。
  • バスの運転手さんが、学生への声掛けやゴミの回収などもしてくださり、大変有難かった。
  • 具体的な作業内容が現地に入ってから明確になるという状況で、私が想像していたよりも学生は臨機応変かつ自主的に動いていた。
  • 中には、被災地の方々に自分たち(部外者)がどのように思われているのか、自分たちの存在が不快感を与えていないか、被災地の方の気持ちを考慮して、不安に思っている学生もいた。こうした配慮ができる学生もいるのだと気づかされる。
  • 生活感が残るがれきをかき分けながら、犠牲になられた方々のことを思うとやり場のない感情が湧きあがってきた。今でもまだ気持ちの整理はつかない。今回の活動を通じて、この震災の酷さを改めて実感した。
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