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草創期の神戸高等商学校における倫理教育
 

【井上真由美准教授/公益財団法人上廣倫理財団】 平成26年度・平成27年度

 

 ビジネス活動には倫理が伴わなければならないという考えは、今や常識となりつつある。とりわけ現代の大企業のように、社会の隅々にまでその影響力を及ぼすような組織(しかも長期にわたって活動し続ける組織)は、いわゆる企業倫理と無縁ではいられない(Paine, 2003)。もし、正直さ、責任、他者への配慮、あるいは守るべき価値観の提示といったようなことがそうした組織から免除されてしまえば、「ほとんどの人は非常に生きにくい、非常に不安な社会で生活することに」なってしまうからである。

 したがって現在、ビジネスマンに対する倫理的教育にも大きな関心が払われている。田中(2004)によれば、1985年頃までには「ビジネス・エシックス」という分野が米国でひとつの学問領域として大きく広がり、また日本で大学教育としての「経営倫理(学)」が本格化し始めたのは1993年頃であったという。

 ところで、このような現代の潮流からはおそらく独立していると考えられるが、わが国では、日露戦争勃発前(1902年)に設立された高等商業学校において、ある種の商業倫理が学生たちに教えられていた。出光佐三(出光興産創業者)ら著名な経営者を輩出した神戸高等商業学校(現・神戸大学)では、初代校長である水島銕也らによって「学理的研究のみでなく実際との関係を重視した学問」だけでなく、「商業の社会性」についても教授されていたのである。

 本研究では、神戸高等商業学校の草創期における商業教育、とりわけその倫理的な側面に焦点を合わせ、その内容と成果を分析する。またそれと同時に、同校においてそもそも倫理的な教育が重視されるようになった経緯についても明らかにする。

 その目的は、第一に、高等教育機関における倫理教育の手法と有効性にかんする新たな知見を得ることであり、第二に、日本資本主義の揺籃期における同校の経験を手掛かりとして、ビジネスと倫理のかかわりについての洞察を深めることである。  

 

 なお、本研究による成果は、以下の通りである。

・「草創期の神戸高等商業学校における道徳教育」『日本経営倫理学会誌』第22号、2015年。

・企業家研究フォーラム年次大会での報告「明治期における商業道徳確立に向けた気運と学校教育:神戸高等商業学校の事例を中心に」2015年7月19日、於 大阪大学

・第33回高崎経済大学公開講座での講演「出光佐三の企業家精神と学校教育」2016年11月28日、於 高崎経済大学

・神戸大学経済経営研究所公開シンポジウム「海賊の選択:出光佐三の企業家精神」での報告「出光佐三の理念と神戸高等商業学校の教育」とパネルディスカッションへの参加 2017年1月23日、於 神戸大学

・「アントレプレナーシップと倫理教育:アントレプレナーには何が必要か?」山田幸三

・江島由裕編著『1からのアントレプレナーシップ』碩学舎、2017年4月刊行予定。

 

【写真】神戸大学シンポジウムでの講演とパネルディスカッションの様子

(神戸大学HPより http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/info/2017_01_25_01.html