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地域科学研究所
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所長ご挨拶
 
 

 

高崎経済大学地域科学研究所長 西野 寿章

 

 2015(平成27)年4月1日、高崎経済大学に地域科学研究所が開設されました。本学には、これまで2つの研究機関が設置されていました。一つは、1957(昭和32)年の大学開設と同時に開設された産業研究所、もう一つは、1998(平成10)年に開設された地域政策研究センターでした。

 高度経済成長の助走が始まった1957(昭和32)年に市立高崎経済大学が経済学部の単科大学として設置されました。戦後、商都に加え、工業都市としての二つの顔を持つことになった高崎市が大学を設置した背景には、地方都市を支える人材の養成が大きな目的にあったことはいうまでもなく、同時に地方都市からみた地域、地方都市から見た経済・経営を科学的に研究する拠点を形成することも高崎経済大学に求められたのでした。それに応えて開学と同時に附置研究機関として産業研究所が設置されました。産業研究所の最初の研究が沖電気の誘致と経済波及効果であったことからも、大学に課せられた使命の一端が理解できます。

 産業研究所では、1979(昭和54)年の『高崎の産業と経済の歴史』を皮切りに、研究成果を公刊するようになりました。当初は自費出版の形式をとっていましたが、1987(昭和62)年以降は、研究プロジェクトによる成果が日本経済評論社の協力を得て公刊されるようになりました。2014年度まで計34冊の研究成果本が刊行されました。また産業研究所では、1974(昭和49)年より市民公開講演会を開始し、シンポジウムも熱心に行われました。

 1990年代の初め頃、大学と地域社会との関係が重視されるようになり、多くの大学において大学の地域貢献のあり方を模索する動きが活発化しました。その頃、産業研究所をモデルにしようと多くの大学が本学に視察に来られました。訪問者からは、開口一番、毎年、研究成果を出し続けられているのはなぜかと尋ねられました。産業研究所は独自の研究費を持たず、そのため所員と学外の研究者の「手弁当主義」によって続けられていると説明すると一同に驚かれていたことを思い出します。研究プロジェクトはプロジェクトリーダーが研究テーマの設定を行い、それに賛同する所員と学外の研究者によって約4年間にわたって研究が進められ成果がまとめられています。研究環境が整わない条件下において、毎年研究成果が積み重ねられてきたことは参加された所員、学外の研究者の方々の情熱があったからでした。

 こうした産業研究所の取り組みは、1996(平成8)年に設置された全国初の地域政策学部の設置認可に大きく貢献しました。地域政策学部は、地方分権社会を担う「地域の目で地域を考える」ことのできる官民諸分野の人材養成を大きな目標としました。当時の学部認可は容易なものではありませんでしたが、不十分な研究条件下にも関わらず、多くの先生達が積極的に地域研究に取り組んでこられた実績が地域政策学部の基礎として評価されたのでした。

 1998(平成10)年、地域政策学に関連した研究所として、主に自治体職員の研修機関機能を中心とした地域政策研究センターが開設されました。開設当初は、政策評価を中心とした研修が行われました。その背景には、バブル崩壊後、自治体は税収減に見舞われ、効率の良い行政運営が求められたことがありました。地域政策研究センターでは、2000年『自治体職員のための政策形成ゼミナール』、2001年『自治体政策評価演習』、2005年『市民会議と地域創造』など、地域政策学に関連した専門書を刊行し、2015年までに16の図書、報告書を公刊する一方で、まちづくりのためのセミナーも積極的に展開されました。

 高崎経済大学は、2011(平成23)年4月から、公立大学法人として高崎市から独立した組織となりました。この法人化に際して、研究機関の統合が話題に上りました。その要因は、産業研究所と地域政策研究センターの事業内容が似てきたことにより、2つの研究機関の必要性に疑問符が打たれたからでした。2014年度に研究機関の統合について具体的に検討され、その結果、2014年度末に産業研究所と地域政策研究センターを廃止し、2015年度より地域科学研究所として新たに出発することに決まりました。

 長期経済不況、デフレ経済が続く中、少子高齢化問題も相まって、地方経済の低迷が顕在化するようになりました。このことは、国公立私立を問わず、大学に地域貢献が求められるようになりました。高崎市は、3次にわたる合併の結果、群馬県を代表する地方中核都市となりました。高崎市の森林率は合併前の7.8%から一気に48.3%まで増加し、市域は高速交通網の整備された旧高崎市を中心として、近郊農村地域、過疎山村地域を含む広大な地域となりました。

 高崎経済大学では、こうした地域の動向を直視する中で、これまでの2つの研究機関における研究成果やノウハウをより効果的に社会に還元し、大学の地域貢献を強化するために、2つの研究機関の統合を検討し、新たに地域科学研究所を設立することとなりました。産業研究所は57年、地域政策研究センターは16年の歴史をそれぞれ閉じることになりました。

 新たに設立された地域科学研究所は、地域で発生している人口問題をはじめとして、産業、福祉、教育、交通、環境など、地域が直面している諸問題の科学的分析を行い、都市、農山村の地域づくりの指針となるよう、様々な研究テーマを設定して研究プロジェクトを編成し、基礎的な研究を行います。長年、産業研究所、地域政策研究センターの研究プロジェクトには、研究費がありませんでしたが、今後は研究に取り組む環境整備を進めたいと考えております。そして、研究によって得られた成果を市民、県民の皆様に披露し、地域の様々な諸問題を考えていく基礎を提供してまいります。

 また地域科学研究所では、大学の地域貢献拠点としての重要な役割を担い、所員による市民の皆様を対象とした公開講座(春講座と秋講座を計画中)や、高崎市の歴史や現状を市民の皆様と本学の教員、学生がいっしょに勉強し考えていく地元学講座の開設、また所員の案内によって高崎市や群馬県をめぐり、地域への理解を深めるエクスカーションなどの企画を計画中です。詳細が決定いたしましたら大学ホームページ、ニューズレターにてお知らせいたします。

 このようにして、地域科学研究所は、大学の地域貢献拠点としての役割を担ってまいります。現在、本学の専任教員の内、こうした地域貢献事業に積極的に参加しようと人文科学、社会科学分野で活躍されている44名の専任教員が所員を兼務しています。所員の先生方は、日頃の講義、学生指導に加え、地域科学研究所の諸計画の遂行に携わっていただくことになりますが、こうした積極的に参加下さる先生方によって研究所の運営が支えられています。

 なお、研究所所員の研究成果を収録する研究紀要は、産業研究所の紀要であった『産業研究』の名称を引き継ぐことになりました。時代に即応した地域貢献の拠点として新しい企画に取り組む一方で、本学研究所の伝統を引き継ぎ、退職された先輩諸先生方が積み重ねてこられた努力に報いたいと考えております。

 新しく発足した地域科学研究所は、どのようにして地域貢献を果たしていけば良いのか、まだまだ暗中模索の状況にあります。市民、県民の皆様のご要望に応えられるよう、日々研鑽を重ね、研究成果をまとめて参ります。市民、県民の皆様から要望がございましたら、地域科学研究所までお知らせいただければ幸いです。

 産業研究所、地域政策研究センター同様、地域科学研究所へのご支援、ご鞭撻をお願い申し上げ、所長のあいさつとさせていただきます。

-地域科学研究所ニューズレターNo.1より転載

このページに関するお問い合わせ

地域科学研究所(研究棟1階)
  担 当:  研究支援チーム
  電 話:  027-344-6267
  F A X :  027-343-7103
  メール:  chiikikagaku@tcue.ac.jp